2012年6月5日火曜日

ラット・パック The Rat Pack - Audio-Visual Trivia



Frank Sinatra (1915 - 1998)
フランク・シナトラが結成したシナトラ一家はThe Ratpak とかThe Rat Pak(ザ・ラット・パック)などと書かれることもあります。 50年代から60年代の当初のシナトラ軍団のメンバーはFrank Sinatra(フランク・シナトラ)を中心に、Peter Lawford(ピーター・ローフォード)、Dean Martin(ディーン・マーチン)、Sammy Davis Jr.(サミー・デイヴィス・ジュニア)、そしてJoey Bishop(ジョーイ・ビショップ)などメンバーは色々です。 このラットパック・メンバーで組んでHollywood(ハリウッド)やLas Vegas(ラスベガス)でブイブイいわせていました、いいえ、ショーを公演していました。
1939年にHarry James(ハリー・ジェイムス)楽団を振り出しにTommy Dorsey(トミー・ドーシー)楽団などの専属歌手として人気のあったフランク・シナトラは歌だけでなく俳優としても活躍していました。 50年代に入ってからはアイドルとしてキャーキャー言われていたのが女性関係でもブイブイ言わすようになり大柄な美人女優のAva Gardner(エヴァ・ガードナー)と再婚するに至りましたが、すったもんだの挙句に今度は30歳も年下の子供のようなMia Farrow(ミア・ファロー)と再々婚したのです。 ちなみに歌手として大成したNancy Sinatra(ナンシー・シナトラ)は最初の結婚で生まれた子供でした。 シナトラの結婚はたった4度ですが交際した女性は数知れず。
そんなフランク・シナトラが放ったヒット曲も初期のI've Got You Under My Skin(あなたはしっかり私のもの)からStrangers in the Night(夜のストレンジャー)など数知れず。 特に大勢の歌手がカバーしたMy Way(マイ・ウェイ)はカラオケなどでも歌えるとあって人気があるようです。

Rat Pack
ラットパックの始りは1955年のこと、当時ハードボイルド映画で大人気だったボギーことHumphrey Bogart(ハンフリー・ボガート)が夜に飲み歩いたHolmby Hills Rat Pack(仲間)のことでシナトラもそのメンバーの一人だったのです。 ホーンビー・ヒルズというのは Judy Garland(ジュディ・ガーランド)などの大スターたちの邸宅があったサンセット大通りの高台に位置する高級住宅地だそうです。 1957年のボギーの死後、シナトラがボスとなって結成されたのがシナトラ一家の「ラット・パック」で、一時はボギーの奥様までもついでにと頂いちゃったとか。
後々にはMilton Berle(ミルトン・バール)、Shirley MacLaine(シャーリー・マクレーン)だのTony Curtis(トニー・カーティス)だのLiza Minnelli(ライザ・ミネリ)が参加したこともあるそうです。


DMC 26から03 - ZZトップZZZZZZ mp3 !

☆1954年にLewis Allen(ルイス・アレン)監督の「Suddenly(三人の狙撃者)」で朝鮮戦争のヴェテランで雇われ殺し屋のJohn Baronを演じているフランク・シナトラですが、シナトラ一家のRat Packには「犯罪者仲間」とか「小悪党」的な意味があるようです。 いうなれば不良グループですね。 又一説には、Ratとはドブネズミのことで、いつも黒いタキシード姿だったから、そう呼ばれたそうです。 ニュアンスとして、日本でもリクルートやサラリーマンの地味な背広姿をそんな風に表現することがありますね。
☆ご注意!Are You A Pack Rat? でのPack Ratというとなんでもしまい込むネズミ、つまり物を捨てられない人になってしまいます。

フランク・シナトラ本人の1953年のラジオショーが聴けるイタリアのRadioclub. Frank Sinatra - Radio Scrigno(ASCOLTA:オレンジ色のアイコンをクリック、3番目のアイコンから順にSeptember Song、Ninnna Hannna)
こちらはJavaを有効にする必要がありますが、The Rat Packショーの雰囲気をで味わえるCRUISIN' the HITz

Frank Sinatra and Billy Ruth
驚いたことに生まれつきシナトラ親分の声にそっくりな物真似歌手のビリー・ルースがいてそっくりさんショーで実演しています。 なにげに顔まで似ています。 ビリーさんはフランク・シナトラの他にもTony Bennett(トニー・ベネット)やNat King Cole(ナット・キング・コール)なども真似るそうです。
Billy Ruth sings Frank Sinatra's Come Rain or Come Shine - YouTube
参考までに、アクセスするとすぐ音が出るサイトですが、ラットパックのそっくりラスヴェガス・ショーは The Rat Pack - Live from Las Vegas
写真が見られるラットパックについて書かれたトリビュートサイトは (上のメニューでGalleryをクリックすすると写真、左のメニューからThe Rat Packをクリック、トリビュートショーのメンバーをクリックすると英語紹介文、これだけ。)
Rat Packのステージの写真が見られるThe Rat Pack Photos - The Spirit of sinatra(左のメニューからRat pack、これだけ。)


誰が異常を歌った

Ocean's Eleven - Ocean's 11(オーシャンと11人の仲間)
2004年に公開されたスティーヴン・ソダーバーグ監督の「オーシャンズ12」は、前作「オーシャンズ11」の続編ですが、共に1960年のLewis Milestone(ルイス・マイルストン)監督の犯罪アクション映画「「Ocean's Eleven(オーシャンと十一人の仲間)」のりメイクです。 ルイス・マイルストン監督といえば戦時中の反戦映画としてアカデミー賞を受賞した1930年の「All Quiet on the Western Front(西部戦線異状なし)」や1946年にKirk Douglas(カーク・ダグラス)がデビューした「The Strange Love of Martha Ivers(呪いの血)」、そして「西部戦線異状なし」と同じくドイツ人作家のErich Maria Remarque(エリッヒ・マリア・レマルク)の原作を映画化したIngrid Bergman(イングリッド・バーグマン)主演の1948年の「Arch of Triumph(凱旋門)」などが有名です。
砂漠の歓楽街であるラスベガスの当時の雰囲気を最も良く描いたといわれる「オーシャンと11人の仲間」については、ガソリンスタンドで働いていたJack Golden Russell (ジャック・G・ラッセル)という人物が自作の原案を給油している間にシナトラに手渡したのだと伝えられています。 この原作が1960年と2001年の「オーシャンズ11」がその後のオーシャン・シリーズの元となっています。 2004年の「オーシャンズ12」と2007年の「オーシャンズ13」はリメイクの続編及び続々編のようです。
主役の元空挺部隊員のDanny Ocean(ダニー・オーシャン)にFrank Sinatra(フランク・シナトラ)です。 軍隊で仕込まれたテクニックを役立てなきゃ損々とダニーが計画したカジノの襲撃に参加するダニーの第二次大戦時の戦友にはその一家のDean Martin(ディーン・マーティン)やSammy Davis Jr.(サミー・ディヴィスJr)などが出演しました.。 ラスヴェガスでのショーの出演者が何人も出演しており、ツーカーだったので台本よりアドリブが多かったそうです。 出演者達の夜のヴェガスのショーが終わってから明け方に撮影が行われたそうです。 犯罪映画とはいえかなりコメディ的な要素もあり、黒人のサミー・デイビスみたいにラットパック連中が顔を黒くして変装したり、ラストの護送車に次々と仲間がぶち込まれてくるシーンが笑えます。 その泥棒どものニュースを流したTVはほんもののラスベガス局だったそうです。

Saul Bass(ソウル・バス)がデザインしたタイトルがお洒落な60年の犯罪コメディ、元祖「Ocean's Eleven(オーシャンと11人の仲間)」のトレーラーはOcean's Eleven - Turner Classic Movies(画像右のclipとtrailerをクリック)


ダンスホールができます

元祖「オーシャンと11人の仲間」は1943年に話題作「Outlaw(ならず者)」を製作したあの有名な飛行機野郎のHoward Hughes(ハワード・ヒューズ)が買収したので何でもやれたんだとか。 ミュージシャンではシナトラとは20年来の付き合いでミルドレッド・ベイリーの夫君だったシロフォン演奏家のRed Norvo(レッド・ノーヴォ)も出演しているそうですが、1960年当時「The Apartment(アパートの鍵貸します)」を撮影中だったラットパックの友人でもあるシャーリー・マクレーンが酔っ払い女としてカメオ出演しています。
☆若い時はヌードやピンナップなどで結構セクシーだったシャーリー・マックレーンの写真集が見られるShirley MacLaine Photos - Through the Years - myLifetime.com
若かりしシャーリー・マクレーンが出演した素晴らしい映画には「アパートの鍵 貸します」や「あなただけ今晩は」そして「愛と喝采の日々」、「ハリーの災難」や「カン カン」などがありますが、日本関連の映画では1962年の「My Geisha(青い目の蝶々さん)」があります。 マクレーンは白塗りに島田の芸者姿で夫役のYves Montand(イヴ・モンタン)や谷洋子などと共演していますが、「ふうらい坊留学記」のミッキー安川もホテルのフロント係で出演ていたような。 2週間芸者たちと寝起きを共にして勉強したというマクレーンが胸元を押さえてヒョイト襟を抜く仕草を何度もしていますがこれは芸者というよりも品のない遣り手婆さんみたい。

Dean Martin
イタリア移民の子として生まれたディーン・マーティンは60年代にシナトラ一家に入るまではコメディアンのJerry Lewis(ジェリー・ルイス)と1947年にお笑いコンビを組んで大活躍し、1949年から1956年の間に16本の映画に出演したほどです。その後も沢山の映画に出演しましたが、John Wayne(ジョン・ウエイン)と共演した1959年の「Rio Bravo(リオ・ブラボー)が有名ですが、シャーリー・マクレーンとは1958年に「Some Came Running(走り来る人々)」でフランク・シナトラと共に共演しているそうです。
Dean Martin - Just in Time - YouTube
♪ Dean Martin - Sway (Quien Sera)

Ocean's Eleven DVD
シナトラ一家層出演の元祖'60「オーシャンと11人の仲間」(2006年や2007年リリースの日本語字幕版DVDは現在入手困難なのでリンクは2002年版です。)
オーシャンと11人の仲間 特別版

「オーシャンと11人の仲間」の2002年リリースの輸入版VHS(日本語字幕もあり)
Ocean's 11 (1960)


Eee-O Eleven
オリジナル「オーシャンと11人の仲間」のサウンドトラックはありませんが、輸入ベスト盤の「Eee-O-11: The Best of the Rat Pack」に何曲か収録されています。
Eee-O-11: The Best of the Rat Pack
試聴で18番の"Sammy Davis, Jr."が歌う私の好きな"Eee-O Eleven"を聴いてみて下さい。

Night on the Town with the Rat Pack
以前リンクしていた「The Legendary Rat Pack: A Night on the Town」は試聴もなく入手困難になったのでリンクはFrank Sinatra(シナトラ)とSammy Davis Jr(サミー)とDean Martin(ディノ)の歌を38曲収録した2003年発売の2枚組みCD「Night on the Town with the Rat Pack」ライヴ盤になっています。 レトロな1960年代のラスヴェガス、ハイボールを飲み煙草をふかして美女にちょっかいを出しまくってネオン街で豪快に遊び歩いたというクールなラトパックを堪能できるでしょう。 雰囲気を知るには映像(ビデオ)が一番ですが、酒と女、そしてお洒落な歌の数々を聴くことが出来ます。
試聴はNight on the Town with the Rat Pack - Amazon.com
※ラトパックの真髄を追求した2006年の2枚組みCD(海外では全60曲を収録した4枚組みもあり)で「Simply Rat Pack」というアルバムがあります。 試聴は見つかりませんが、フランク・シナトラ、ディーン・マーティン、サミー・ディヴィス・ジュニアが盛況時のステージでのライヴとスタジオ録音を集めた全39曲のリストはSimply Rat Pack - HMV.co.jp

Rat Pack Collection
2012年1月発売の輸入盤6枚組CD「Rat Pack Collection」(ASIN: B0002XK528)は格安でザ・ラット・パックの醍醐味を堪能できそうです。
例えばCDの1には1964年のBillboard Top 10 Singlesで8月に大一位となった"Everybody Loves Somebody(誰かが誰かを恋してる)"、Pennies From Heaven、Takes Two To Tango、When You're Smiling、Bye Bye Blackbird、Rambling Rose、Deep Purpleなどと各CDに有名な全160余曲が収録されています。

Sammy Davis, Jr.
ハーレムに生まれたサミー・デイヴィス・ジュニアは黒人の父もプエルトリコ人の母もダンサーでしたが、両親の離婚後は父と3歳からダンスショーのツアーに出ました。 交通事故で左眼を失った頃にユダヤ教に改宗していましたが、1960年にスウェーデン出身の女優のMay Britt(メイ・ブリッド)」と結婚しましたが、サミーの浮気により二人は1968年に離婚しています。
☆片目のサミーについて詳しくはAudio-Visual Trivia内のサミー・デイヴィス・ジュニア Sammy Davis Jr.


Rat Pack Confidential (Paperback)
ラットパックの大家(?)である俳優で2006年のThe Pink Panther(ピンク・パンサー)などを監督したShawn Levy(ショーン・レヴィ)著のペーパーバック版「ラットパック・コンフィデンシャル」(英語)があります。
Rat Pack Confidential: Frank, Dean, Sammy, Peter, Joey and the Last Great Show Biz Party
中身が覗けるLawrence J. QuirkとWilliam Schoell (著)のThe Rat Pack: The Hey-Hey Days of Frank and the Boys (Hardcover)

All-Time Greatest Dorsey/Sinatra Hits
フランク・シナトラが芸能界のボスになる以前にトミー・ドーシー楽団をバックに甘い声で歌う頃のアルバムが私は好きです。 下記はオリジナル録音は1940年という1990年の輸入ベスト盤です。(シリーズは1から4まで)
All-Time Greatest Dorsey/Sinatra Hits, Vol. 1-4
試聴はAll-Time Greatest Dorsey/Sinatra Hits, Vol. - Amazon.com

ドン・チードルは1998年のRob Cohen(ロブ・コーエン)監督のThe Rat Pack(ラット・パック)で、シナトラ一家のサミー・デイヴィス・ジュニアを演じました。
左がドン・チードルで、右が大御所サミー・デイヴィス・ジュニア

ドン・チードルが出演した1998年「ラット・パック伝説」VHS
Rat Pack

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